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風来坊 三余夜はなし

百舌のたか鳴き
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    もずの高鳴き  

    もずの高鳴き七十五日という言葉をラジオがつたえている。
    もずが鳴き始めると七十五日後には初霜があるという。むかしからの古老のことばであろう。

    そうすると今年は十二月十三日ころは初霜があるかもしれない。
     
    赤松の手入れをする頭上のテレビアンテナに止まり、しきりと長い尾を上下にゆすり威嚇しているそのすがた。

    もずは雨のふるような湿気のあるころは鳴かない、冬のために生餌を乾燥させるには天たかくはれていないとカエル、とんぼ、こおろぎなぞを捕らえて梅の小枝の先に突き刺しても腐ってしまい、乾燥しないことを知っているらしい。
    その突き刺した領域をまもるため高鳴り喧下して、すずめやむくどり、さては人間までも刺したカエルの近くに近づくと、けたたましく鳴き叫ぶ。
      

    わたくしはこの喧しい鳥に幼少のころより好感をもっていた。
    高いところでおのれの縄張りを誇示する、まるで元亀天正の乱世 戦国の武者が瞬間のこえをあげて城内に攻め入っていくようである。
    カエルからみたらこの鳴き声は獄卒の鬼の啖呵のようであろう、梅の小枝の先につきさされてしまうとはたまったものではない。

    やがて陽もみじかくなり夕方には北風一番がふいて秋気がひきしまって七十五日をむかえることであろう。
     
          碧天に われの陣場と もずの声
         平成二十四年     秋気感ずる昼下がり                                                                                                       樋泉 憲三
     
    | 秋空 | 09:57 | comments(0) | - | - |